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009 RE:CYBORG



神山健治監督によるリメイク、『009 RE:CYBORG』の3D版を観てきました。
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大風呂敷を広げて、極めて小さなお重を少しだけ食べる

感想は一言で済むし、むしろ本編上映前に観た『エヴァ:Q』のトレーラーの方がよほど興味深かったと言ってしまえば、それまでである。否、逆に語り出したら止まらない気もしている。しかしそれは、個人的な思い入れだけの問題であり、"私が好きだから私が好きなだけ好きなものについて語る"という類いの話題は、話し手がよほど語り上手でない限り、10分で退屈するものである。だから、私なりになるべく端的に、客観的に本作を観た感想を書くなら、上記の青文字の文章となる。

これより後は、上記青字の喩えをもう少し解説したものである。

まず、長編アニメを観に行くという気構えで行くのをやめるのがよいだろう。本作は、世界同時多発爆破テロを00ナンバーサイボーグたちが阻止するという話だが、まるで短編小説を読んでいるようであった。もっと言ってしまえば、長編小説のように筋や内容を味わうのではなくて、雰囲気や空気を味わうための作品だ。だから、上掲の画像のように00ナンバーたちが一同に集結する展開はない(左から3人目のピュンマに至っては、特殊能力すら発揮せず終わってしまう端役扱いだ)のだけれど、それでガッカリしてはいけない。また、なぜ最後にジョーやジェットが帰還できたのか?とか、テロの原因は結局何だったのか?とかを問い詰めるのは(極めて正しい行為ではあるけれど)意味のない行為となる。すべての小説や映画に内容やオチがあると期待するのは、消費する側の勘違いだ。本作の美しさや格好良さは間違いなくJapan BeautyやCool Japanを表現しているものである。多少無理矢理感はあるものの一応、石ノ森テイストの哲学思想も盛り込まれている(ピュンマの考察としてハインリッヒが朗々と語る、神という存在についての考察は、なかなか面白かった。009シリーズに馴染みのない方には、最後の宇宙でのジョーの絶叫なども「なんのこっちゃ?」ではあるだろうけれど)。いまのジャパニーズ・アニメーションの最高水準のひとつを確認できるという重要な役割も担っている。ほら、まるで短編小説とまったく同じ機能を果たしている。

長編小説を読むように本作を観ていると、(期待していたより)短すぎるし、あっけないし、内容は無いし、ただ美しく小綺麗なだけのアニメだと思ってしまうだろう。事実、まったくその通りだ。あっけなくて、内容は薄っぺらくて、新規009ファンを増やすことも、往年のファンを満足させることも難しそうだ。でも、私は"RE:CYBORG"とサブタイトルを付けるぐらいなのだから、ここからシリーズが始まるのだと期待しているし、短篇映画として、シリーズの第一作目としては、なかなか良いのではないかと思った。次の作品が出るか否かで位置付けが変わるはずだ。さて、神山監督自身が次を作るのか、あるいは新しいフォロワーが続くのか?私としては、石ノ森原作は朽ち果てることはないので、あとはブルーレイが発売されたら買うか否か悩むぐらいである。

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