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IDYLIC KYOTO 2012: Under the Rainy Sky of Kyoto

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GX1 + M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8

雨降る京都・2日め / 南禅寺から哲学の道篇

「楠木さんの家ってどこでしたっけ?」
「銀閣寺のほう」

万城目学,『ホルモー六景』(文庫版, p.75)


2012年12月30日の京都市内は、ほぼ一日中、冷たい雨が降っていました。2泊3日旅行の中日、つまりは最も活動できる日が雨、という巡り合わせ。しかし、この時期に敢えて京都に観光に出張って来る人たちは(私たちを含め)タフです。寺や神社は雨の中でも何も言わず、雨宿りもせず、ただそこに在って出迎えてくれるではないか。ならば、私たちが雨ごときに挫けたり弱音を吐いていて、どうする。ホテルの朝食バイキングで昨夜に引き続きワッセワッセと朝食を済ませた後、長い京都の一日が始まるのです。

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GX1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0

先ず向かったのは南禅寺でした。ここを訪れたのは、「群虎図」という南禅寺オリジナルの御朱印帳を頂きたかったのと、かの有名な水路閣(水道橋)を見てみたかったためです。しかし結果的には、南禅寺の三門の美しさだけで、そのどちらもどうでもよくなってしまいました。

Wikipediaの説明に拠れば、南禅寺は「京都五山および鎌倉五山の上におかれる別格扱いの寺院で、日本の全ての禅寺のなかで最も高い格式をもつ」と記述されていますが、然もありなん。南禅寺最寄りのバス停から三門までの(結構長い)道のりで雨に打たれ、すでに少々不機嫌になっていた私は、煙る雨空のなか悠然と構える三門に圧倒されたのでした。何というミニマムで美しいデザインだろう。紅葉や桜がなくて残念なくらいの曇天でも、この存在感。私も多少は三門(山門)を見てきましたが、まさに別格の風格でした。この門の屋上で石川五右衛門が「絶景かな、絶景かな」と言うのは歌舞伎の有名なシーンですが、作者が他でもなくこの三門を選んだのは偶然ではないはずです。

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RX1

雨にしたって何だか人が少なくはないか?と思いながら法堂まで辿り着いて、ようやく30日、大晦日と拝観できないことを知るのです。この後も何度か涙を飲むことになるのですが、元旦に向けての準備のためにお休みのところが多かったのは、今回の旅の誤算でした。当然、お目当ての御朱印帳も御朱印も頂くことができず(しくしく)。

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GX1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0

さて、有名な煉瓦造りの水道橋は境内の奥まった場所にあって、立て札があるけれど気付かなければ通り過ぎてしまいそうです。いろいろなブログで写真は見たことがあるものの、実物を見るのは初めてです。雨に煙る水路閣は趣きがあるけれど、足元はぬかるんでいるし、防塵防滴ではないカメラとレンズが濡れるのを気にしながら撮影しているのは趣きも何もあったものではありません。

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誰もが撮りそうな、お約束の凡庸な構図で撮って何が悪い。
空、犬、猫 、カプチーノくらいしか撮らなくて何が悪い。
それはひとつしかなくて、そして、撮る君の眼はひとつしかない。


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ついつい煉瓦作りの建物の方に目が行きがちですが、この建築物は機能を持っているからこそ、今なお美しいのでしょう。滑り落ちそうになりながら登って見たその"機能"は、あっけないほどシンプルに轟々と流れる水流でした。

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GX1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0

雨はまだしとしと降り続けています。南禅寺から銀閣寺へと向かおうということになっても、いまいち要領を得ません。この天候のなかバス停まで戻るのが吉なのか、歩く方が早いのか。たとえば楠木さんのように「自宅は銀閣寺の方」なんて、歴史的建造物を日常生活のランドマークにできたら何と格好良いのだろうと思うのは、非京都人の"隣りの芝生は青い"感想でしょうか。ともかく、私たちは降り続ける雨の中、南禅寺と銀閣寺を結ぶ哲学の道を歩いていくのでした。

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GX1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0

一体いつになったら銀閣寺に着くのだろうか?この天候のせいか、これまで数人とすれ違っただけで、果たしてこの道を歩いて行くと本当に銀閣寺に辿り着けるのだろうかと心配になります。寒いし、靴に水が染み込んで足は重くなる一方だし、傘を持ちながら撮影をする気にもなれず、西田幾多郎氏のように高尚な物思いに耽る余裕などありません。哲学の道を、ただひたすら「いつになったら銀閣寺へ!早く銀閣寺へ!」と念じながら進む、正直な私たち。正しい方向へ進んでいると確信したのは、銀閣寺の名を冠した、楠木さんが住んでいそうなアパートを目撃したときでした。

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よーじや銀閣寺店まで来たら、目的地はもうすぐです。銀閣寺を訪れたのは小学生のとき以来。実に数十年ぶりの再訪になります。

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