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清洲会議



三谷幸喜監督の最新作、『清洲会議』を観てきました。
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安定した平凡な映画

本作は、本能寺の変の後、織田家家臣たちが織田家の跡取り・領地配分などを決めた清洲会議の数日間を描いた作品である。さまざまな思惑が交錯するなか、秀吉が幼い三法師を肩に担いで跡取りを披露し、あたかも自分が後見人であるように収まった結末は有名である。この作品では、柴田勝家(役所広司)と豊臣秀吉(大泉洋)の対立を中心に、柴田側に立つ冷静沈着な丹羽長秀(小日向文世)、柴田側と豊臣側の間をのらりくらりと行き来する池田恒興(佐藤浩市)を加えた4人で主に話が展開する。宣伝ポスターには錚々たる俳優のみなさんが顔を揃えているが、実際そのほとんどは脇役である(松山ケンイチくんに至っては、出演時間は数分程度である)。相変わらずチョイ役ですら豪華なキャスティング、贅沢なセット、三谷作品は回を追うごとに大掛かりな作りになっている。

三谷氏が歴史オタクであるというのは有名な話であるし、大河ドラマ執筆寺に色々と批判されたせいなのか分からないが、今作は極めて真っ当に作られた歴史物であった。三谷氏の十八番であるコメディ要素は、無骨でややKYな勝家の言動の可笑しさぐらいだが、勝家の粗雑だが純朴なキャラはもはや使い古された既定路線である。役所さんがオーバー気味に演じているからクスっと笑えるシーンが所々あるが、あくまで「クスッと」である。構成も一日ごとに区切られて語られるので、何となく何かの合宿風景を眺めている気分になってくる。付け加えおくと、三谷作品では恒例となっている「前作の登場人物が何らかの形で登場する」という慣習は本作でも踏襲されている。

さすがに6本も映画を撮り続けてきた監督だなと思う。たくさんの主役級俳優と豪華なセットを使いこなし、自分の思い通りのイメージを映像にできる力量は、もはや"他分野の人間が興味本位で挑戦してみた"というレベルではない。しかし一方で、本作は他の三谷作品には感じられる唯一無二の印象はない。むしろ、コメディ映画以外ならば、三谷監督よりもっと面白い作品を撮る監督はたくさんいると思えてしまう。そういう意味で、純粋なコメディ以外だと三谷氏は意外と普通の映画監督になってしまうし、本作は三谷映画作品のなかで最も平凡な映画であった。

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