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Big Hero 6(邦題:ベイマックス)



2015年の初映画として、ディズニーの最新作『ベイマックス』を観てきました。
公式HPは → → → コチラ


2015年映画始めにオススメな一本

2015年の初映画は『ベイマックス』に決めた。どうやらディズニーは前作の成功で吹き替えでも行けると勘違いしたらしく、字幕版を観るためにわざわざ日本橋まで観に行くはめになった。

あなたがもしこの映画を、不幸な事故で兄を亡くした主人公ヒロが、兄の残したケア・ロボット(お世話ロボット)であるベイマックスに徐々に心を開き、悲しい兄の死を乗り越えて行くというような泣き系ドラマを想像しているとしたら、そのイメージは結構間違っている。ディズニー作品なのでその辺りは抜かりないのだが、原題"Big Hero 6"(6人のスーパーヒーローといったところか)からも分かるように、実際はバリバリの戦隊モノである。過去作でいうと、ピクサーの『Mr. インクレディブル』の雰囲気に最も近い。やけにMARVELテイストだと思いながら観ていたら、ウィキによると実際MARVEL作品(原題も同じ)であった。原作は買収したMARVEL社のお蔵入りコミックから見つけ出し、ディズニーテイストにお色直ししたようである。

レヴューワーとして私が伝えたいことは「この作品は、少年とロボットのお涙頂戴物語ではなく、オタク5人+ロボット1体のヒーロー戦隊ものである(少なくとも製作者たちはそういう意図で作っている)」ということだけである。あとはご覧になっていただければ分かると思う。爽快なアクションと上質なユーモアがあり、最後まで何一つ嫌な気持ちにさせられない。東京とサンフランシスコを融合した架空の街が舞台だが、日本的要素の取り込み方も実に丁寧で感心した(さりげない描写に現代の東京っぽさが感じられる。おそらく綿密に東京を取材したのだろうと思う)。ベイマックスが「いつでも側にいます」みたいなことを言ったとき「まぁ世間ではこういう場面ではそういう風に言うことになってるよな」と斜に構えてみせた私は、手の中に隠されていたものを見たときに心震えずにはいられなかったのである。ベタでも何でも、ドラちゃん以上にSTAND BY MEなベイマックスなのであった(作品としても圧勝。こういう作品はまだまだ米国の方が一枚上手だと思った)。どんな人とであれ、新年一本目として観る映画としてオススメの作品である。

* * * *

と、上記までが普通のレビュー。私が気になるのは、最近のディズニー映画におけるイメージ・コントロールである。そもそもラセターの関わったディズニー作品は秀逸なタイトルが多い("Up"、"Tangled"、"Frozen"など1語または1フレーズで潔い)のだが、邦題になるとことごとく残念な「説明調」になる。『アナ雪』などと短縮好きな日本人に浸透することもあるし、日本語に変換するのが難しいタイトルでもあるので仕方がない側面もあるが、日本語に換えるときにイメージが固定化されてしまうことが多い。たとえば一人が主人公であるような印象を与える邦題『Mr. インクレディブル』の原題は"The Incredibles"(インクレディブルさん一家)と家族の物語に焦点を当てている。逆に"Monsters Inc."(モンスター株式会社)を『モンスターズ・インク』とそのまま片仮名変換したりするので、どこまでタイトルで伝えようとしているのかよく分からない。今回の『ベイマックス』は作品の根幹に関わるようなタイトル変更、トレーラーの作り方だったので少々気になった。せめて映画だけは"ありのまま"の、製作者たちが込めた想いや願いを反映させるようなプロモーションをしてほしいと思う。本作を観て、期待していたものと違っていたと感じる方がいらっしゃるとしたら、それは作品の不出来ではなくて、映画と観客を結び付けるプロモーションの不手際だと思うのだ。きちんとしたストーリーで誰が観ても楽しめる作品なのだから、戦隊モノであることを伏せておくような必要はないし、そもそも一体いつから日本では感動や泣きを押し売りするようになったのであろう。私は結構余計なお世話だと思っている。

| 映画レビュー | 22:33 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

> invisibleAさん

明けましておめでとうございます。

ベイマックス、貴兄のブログの写真はもしやベイマックス特製ジュース容器でしょうか?
妻の反対を押し切って買う気満々だったのですが、地元の映画館ではあったのに日本橋では完売していて
元旦からガッカリの境地でした。しかし、本編は名作でしたよね。ラセターはやはり凄い!

いまさらディズニーにイメージコントロールをどうこう言っても詮無いことですが
今回は少々露骨だったような気がします。
AIの曲もとてもよいけれど、主題歌としてはテイストが全然違うだろうと。

ゴールデングローブ賞の発表も近く、期待作が目白押しです。
『アニー』や『イントゥ・ザ・ウッズ』などのミュージカル、ホーキンズ博士の人生を描いた『博士と彼女のセオリー』
そしてホームズを演じたカンバーバッチの最新作『イミテーション・ゲーム』などがオススメ。
今年は豊作になりそうな予感です。

今年もよろしくお願いします。お互い、やめずにね(笑)。

| pltr0 | 2015/01/11 11:56 | URL | ≫ EDIT

大晦日まで働いていた分だけお正月休みは長かったので、pltr0さんのレビューを読んでから観に行ってきました。
自分のページにも書きましたが、作品としては一切文句なし。(そんなことにならないことを期待しますが)ひょっとしたら2015年に僕が観る映画の中で最高評価になってもおかしくありません。


ですが<普通のレビュー>以降で指摘されていること、僕も気になりました。明らかにヒーロー戦隊ものであることを隠すようなプロモーションの仕方。そして、ネットで拾った情報なので真偽は不明ですが、ラストの台詞の部分が日本版は改変されているそうです。(英語版にあったWho are we?という台詞が字幕版はカットされ、吹き替え版は『ベイマックスと一緒に』という台詞に変えられている)
もし本当だとすると、相当意図的にイメージ・コントロールしているということですので、なんだかがっかりです。
日本は単体のヒーローにした方がプロモーションしたりグッズも売りやすいと判断したのでしょうかね。
ということは、日本版のラストのAIの曲『STORY』は、歌詞の<1人じゃないから>が、ヒロと仲間たちということではなく、ベイマックスとヒロの関係だけにはまるから起用されたということになりますね・・・。僕は前者のように受け取って劇場で不覚にもぐっと来たのですが。 (映画全体を通して、僕は泣きませんでした)

あ。
遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。

| invisibleA | 2015/01/08 22:51 | URL | ≫ EDIT















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