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ストレーヤーズ・クロニクル



本多孝好氏による同名小説を映像化した、『ストレーヤーズ・クロニクル』を観てきました。
公式HPは → → → コチラ


本郷奏多くんがゲスト出演していることが救い

トレーラーを観た段階でX-MENのパクリであろうことは想像できたし、メインキャストがほぼ20代前半(しかも大半は顔と名前が一致しない新人たち)ということから、そういう映画だろうと思って観に行ったら、実際にそういう映画であった。X-MENとの最大の相違点は、特殊能力を生得的に獲得したのではなく人為的操作により獲得させられたということ、そして、能力者たちを教育する人物や機関がないということである。奇しくも、見た目の良い若者たちを使ったアクションもドラマも薄っぺらい映画を観ながら、生得的能力とそれを正しく伸ばす教育は大切なのだと改めて思った。

ヒトが目からビームを出したり、天気を自由に操れるように進化するとは到底思えないが、それでも自然な突然変異で能力を獲得したという設定は強い。X-MENは能力が生得的であるがゆえに身体の拒絶反応などに苛まれる必要はなく、そのため「社会や他者とのかかわり」という一段高いレベルで悩んでいる。翻って、本作の若者たちは人為的操作により能力を獲得しているため、ともかく自分の身体のことばかり心配している - 脳や精神がいつ破綻するか怯えて引きこもったり、極端に短い寿命を少しでも延ばす方法はないかと躍起になったり、普通のカフェで生殖能力がないことを大声で悲嘆に暮れたりする。また、意外と大きいと思うのは、エグゼビアのような父親的存在の指導者やマグニートのような兄貴分の同志が居らず、(善悪はともかく)教育や訓練を受けていないことだ。

本作の若者たちは、自分たちの小さい世界で自分たちについて神経質に悩みながら、最終的に大人たちに次々と始末されていく(生き残る能力者もいる)。そういう話だと、生き急ぐ若者特有の刹那的な輝きのようなものを期待してしまうが、それも感じられなかった。自分の能力を活かすための教育を受けられず、グループに組織力はなく、中途半端に能力を発揮してただ抹殺されてしまうのを観ているのは、ある意味とてつもない虚しさであった。途中からエヴァンゲリオンの人類補完計画的な話に展開したり、染谷くんの存在感や演技が他と違いすぎるのも、痛々しさに拍車をかけている。タイトルに「クロニクル」とあるのだから原作はそれなりの年代記になっているのではないかと察するが、この手の映画は最初からシリーズ化を念頭においてじっくりと話を作る(尻切れとんぼのような終わり方で仮に1本で終了になったとしても、気にしない)方がいいのではないかと思う。

私は超能力系映画が好きだが、それはただ超人的な能力を見たいのではなく、それを起点として誰もが感じる「他人と違っている」疎外感を描こうとすることに共感しているのだろうと思う。

| 映画レビュー | 23:53 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

> invisibleAさん

私は逆に本多孝好氏の名前をこの映画で初めて知ったので、ライトノベル系作家さんなのか?と思いました。
まぁ、貴兄向けでないのは確かかなと思いますが、染谷くんは良いので機会があったら。
私たちもたぶん今週末辺りにバケモノの子を観に行く予定です。
俺物語!!はねぇ....(そんなにアニメ面白いのか...)。

| pltr0 | 2015/07/15 23:53 | URL | ≫ EDIT

pltr0さんのありあまる守備範囲の広さには驚かされます。
本作は名前だけ聞いて、古いライトノベルだかアニメだかを今更実写化したのかと思ってましたが(それは『スレイヤーズ』でした)、このエントリを読んで本多孝好作品だと知ってまた驚き。そんなの書く人だったっけ。
いずれにせよ、超能力映画好きのpltr0さんでもダメだとなると、困った作品ですね。

| invisibleA | 2015/07/14 22:55 | URL | ≫ EDIT















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