PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

Good Grief!!!

DSCF9804
X-Pro2 + XF16-55mmF2.8 R LM WR


やれやれ、ピーナッツの面々

無事に有給休暇を取り、スヌーピーミュージアムに行って来ました。


スヌーピーミュージアムは米国にあるシュルツ美術館の公式な分館で、六本木に期間限定(2016/04-2018/09)でオープンしています。ゴールデンウィーク中に行きたかったのですが、思い立ったときにはすでにチケットは売り切れ(入場日時が指定されたチケットを予め購入しておく必要があります)。客入りも少し落ち着いてきた6月の平日を狙って行って来たというわけです。

DSCF9806
X-Pro2 + XF16-55mmF2.8 R LM WR

六本木といえばたまにミッドタウンや六本木ヒルズに行く程度で、しかもどちらも地下から直接アクセスできるため、ろくに地上を歩いたことがありません。土地勘がまったくない我々は、芋洗坂経由→鳥居坂とやや遠回りのコースを選んでしまったようで、六本木駅から結構歩きました。スヌーピーミュージアムは、鳥居坂の中腹、対面には由緒ある女子校と、なかなか渋い立地にあります。

DSCF9809
X-Pro2 + XF16-55mmF2.8 R LM WR

ローソンで予め買っておいたチケットを持って受付に行くと、入館日と同じ日に掲載された四コマ漫画が刷られた正式なチケットに替えてもらえます。スヌーピーをあしらった日付スタンプをチケット裏面に押してもらったら、入館です。まず入った部屋の壁一面にチャーリ−・ブラウンとスヌーピーのモザイク画がありました。このぐらいの引きの絵だとよく分かりませんが、近づいていくと.....

DSC02906
RX-1(妻撮影)


DSCF9810
X-Pro2 + XF16-55mmF2.8 R LM WR

過去に雑誌掲載された四コマ漫画を立体的に組み合わせて作られていたのでした。濃淡を考えながら四コマ漫画を選定し、貼り付けはおそらくすべて人の手によるものだろうから、かなり手間がかかっていると思います。その割には、見たときのインパクトがそれほどでもないのはモノクロだからでしょうか。

DSCF9817
X-Pro2 + XF16-55mmF2.8 R LM WR

モザイク画の横の壁には、原作者チャールズ・M・シュルツに関係する写真、貴重な初版本、掲載雑誌などが額装されています(これらも自由に写真可能)。シュルツ氏の見た目は"the 普通のサラリーマン"でしたが、彼の仕事を考えればある意味、納得です。

DSCF9812
X-Pro2 + XF16-55mmF2.8 R LM WR

これは、『PEANUTS』連載第1回目の作品。チャーリーが来たと声をかけられているのにもかかわらず、ガン無視して朗らかに去っていくチャーリー・ブラウン。1950年にKYの空気感を捉えてシニカルに描いているところが、いかにもシュルツらしくてクツクツ笑いたくなります。スヌーピーをはじめとする登場人物たちの優れた論考や内省はまだ顔を出していないものの、"小さな人々"と彼らのありふれた生活のなかでのAAUGH!やGood grief!を拾い続けていく筆者の観察眼は、第一回目から鋭く光っていたようです。ちなみに、私が好きなキャラクターは、ウッドストック(スヌーピーの相棒である黄色い鳥)とシュローダー(ベートーベンを敬愛するピアニストの男の子)です。

DSCF9823
X-Pro2 + XF16-55mmF2.8 R LM WR

モザイクの部屋を抜けると、PEANUTS愛好家たちのコメント集めた短いビデオを見せられ(特に人選が面白いわけでも、各人のコメントが気が利いているわけでもなかった)、その後に原画の展示へと進みます。ここからは無論、撮影禁止。2年に渡り開館していますが、現在はオープン記念展『愛しのピーナッツ。』が9/25まで開催されており、期間内に数回展示が変わることがアナウンスされています。展示品の種類、点数がやや少ないという印象がありますが、シュルツ氏が直に手書きした文字や修正の跡が残る原稿を見られるのは、熱心なファンでなくとも興味深いものです。上掲の画像は、展示ゾーンを抜けた次の展示スペース。ここからまた撮影可能になります(一部撮影不可のものもあり)。

DSCF9818
X-Pro2 + XF16-55mmF2.8 R LM WR

先述したスヌーピーを愛する著名人のひとりとしてコメントしていた吉本ばなな氏のパネル。ばなな氏が「作家の引き際の言葉として見習いたい」と言っていた、連載最終回に添えられたシュルツ氏のコメントと、掲載された新聞の実物(画像左下)が展示されていました。難しい言葉も、難しい言い回しも使っていない、簡潔かつ率直な文章です。平易なボキャブラリで、一切の無駄がなくシンプルに書かれている英文は本当に美しいと感じます。

DSCF9824
X-Pro2 + XF16-55mmF2.8 R LM WR


DSC02913
RX-1(妻撮影)

さて、このスペースを見終えると展示は終了で、あとはお土産ゾーンと併設のカフェがあります(買い物やカフェの利用だけはできない構造になっています)。HPによると混雑している場合はカフェへの入場権はガラガラでの抽選になると書いてあったのですが、この日は並びさえすれば入れるとのこと。生粋の行列嫌いの私でも、さすがにこの日は機嫌も損ねず、文句も言わずに並びました。カフェで食べたものについては、次の記事で。

DSCF9825
X-Pro2 + XF16-55mmF2.8 R LM WR

こちらは、男子トイレ。トイレ内までもデザインが行き届ます。館内もできたばかりのせいか、清潔そのもの。外国からの観光客も多く訪れていました。私はスヌーピーとチャーリー・ブラウン以外の登場人物の名前が出てくる程度で特に熱狂的なファンではありませんが、平日の昼下がりに訪れるには良いミュージアムではないでしょうか。

ただ、展示の質や量に対して過剰な期待は禁物です。少なくとも私は、作家自身や作品に対する深い理解が得られるような展示の仕方ではなかったと思います。各作品には和訳が付いているものの、間違ってはいないが何と云うか気の利いていない訳で、当時の背景や原作者の意図に関する論考はほぼ無し。日刊新聞連載の漫画は時事ネタや当時の市民文化や思想が色濃く反映されることが多いのだから、当時の米国の生活や文化も紹介しないと"ただ可愛いスヌーピー"の絵を眺めに行くだけになってしまうのではないかと思います。

どうにも嫌だなと思ったのが、主催者側が「それでいい」と思っている節があること。スヌーピーだけではないPEANUTS文化をもっと日本に広めたいという熱意より、ファン心を当てにして期間限定で儲けたいという商魂の印象は拭えませんでした。本来、博物館や美術館は気軽に何度でも行ける場所であるべきではないかと思うのですが、その意味では事前予約制で年間パスもなく、一度行けば充分と思わせてしまうような作り方は、ミュージアムとして致命的ではないかと。とは云え、私たちだって本音を言えば、原画をじっくり見たいというより、話題のスポットに行ってカフェで食事を写メしまくってオリジナルグッズを買い漁りたいわけで、おあいこです。夫婦別会計でドン引きするぐらいグッズと大人買いしました。

| 休日の過ごし方 | 23:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://pltr0.blog37.fc2.com/tb.php/1656-e73359a8

TRACKBACK

NEWER | PAGE-SELECT | OLDER