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A Holiday on Weekdays

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ふたたび、有給を取る

運慶が護国寺の山門で仁王を刻んでいると云う評判だから、散歩ながら行って見ると、自分より先にもう大勢集まって、しきりに下馬評をやっていた。

夏目漱石 『夢十夜』 青空文庫より




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護国寺は徳川綱吉の母、桂昌院の発願により建立された寺院で、建立年は元和元年(1681年)。最寄り駅は有楽町線の護国寺駅です。このご本堂は重要文化財に指定されています。境内には大隈重信、山縣有朋、建築家ジョサイア・コンドルなど著名人の墓所があり、都心とは言えないまでも文京区にある由緒正しいお寺ですが、平日の昼間はこの通り素っ気ないほど閑散としていました。

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さて、この護国寺は冒頭の引用に示した通り、夏目漱石の『夢十夜』の第六夜に登場します。第六夜は現代(つまり、夏目漱石の生きた明治時代)の話で、運慶が護国寺の山門で仁王像を彫っているのを漱石が見学しにいくという話です。運慶が鑿と槌を使ってあまりにも巧みに仁王像を彫り出していく様に漱石が感嘆していると、見物人のひとりが「なに、あれは眉や鼻を鑿で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に埋っているのを、鑿と槌の力で掘り出すまでだ。」と教えます。なるほどと思った漱石は自宅に戻ると薪用の木を片っ端から彫ってみれど、どの薪木にも仁王が埋まっているものはなかったと悟り「それで運慶が今日まで生きている理由もほぼ解った」と結ぶのですが、私はどうしてそういう結論になるのかよく解りません。

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さて、先に護国寺を紹介しましたが、本日のお目当ては護国寺ではなく群林堂さんの豆大福なのでした。東京の三大豆大福といえば、護国寺の群林堂、原宿の瑞穂、泉岳寺の松島屋であることはよく知られていますが、どこもやや辺鄙なところにあり、すぐに売り切れることでも有名です。私はまだどれも食べたことがなかったので、平日の有給は絶好の機会と頑張って早起きしました。群林堂さんは予約も不可で、午前中に行かないと売り切れる可能性があるためです。お店は、有楽町線護国寺駅5番出口を出て左手すぐ、対面には講談社の旧本館が聳えたっています。初めて来た人は「ここが、かの有名な群林堂?」と拍子抜けするほど、こじんまりとした街の和菓子屋さんです。

豆大福の美味しさは、言わずもがな、評判通りでした。結構甘くどっしりとした餡なのですが、表面にはこれでもかとばかりに大粒の赤えんどう豆があるため、全体的にクドくない味わい。柔らかく炊かれた餡と豆の食感の対比も楽しいです。赤えんどう豆は塩気より豆そのものが味が活かされており、いわゆる豆大福の醍醐味−甘さと塩辛さを同時に味わう−という部分では少しパンチが弱いかもしれませんが、豆の存在感はこれまで食べてきたなかでは断トツでした。護国寺で1つずつ、自宅に戻り2つずつで計6個ですが、余裕綽々に平らげました。本当に美味しい大福でないと、こういうわけにはいきません。記憶の美化の影響もあるかもしれませんが、私的豆大福NO.1は、いまだ京都の出町ふたばの豆大福。これを超える豆大福は出て来るのか、次は瑞穂か松島屋か。

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『夢十夜』には仁王像とあるだけで、漱石の夢のなかで運慶が彫っていたのが阿形像なのか吽形像なのか判りません。ただ、1908年に小説が新聞連載されたときと同じように、108年経った今でも護国寺の山門には阿形像と吽形像が並んでおり、これを見て漱石が着想を得たのだろうと考えると何とも不思議な感覚にとらわれます。ちなみに、漱石の著書では『こころ』ぐらいしか読んだことがありません(つまりは、自発的に読んだことはないということ)。

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護国寺を後にして銀座へ移動。ソニーのショールームに用事があったので、四丁目交差点にできたGINZA PLACEに初めて入ってみました。この場所にはもともと日産のショールームがありましたが、新しくなってからは1-2Fが日産、4-6Fがソニーのショールームになっています。

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松屋銀座でネスプレッソのカプセルを購入、阪急メンズでvisvimのバックパックを検討し、有楽町ルミネのDEAN & DELUCAでパンと飲み物を買って、日比谷公園でしばらくのんびりしました。と言っても、のんびりしていたのは奥さんだけで、私はポケモンgoのためにひたすら園内を歩く、歩く(日比谷公園は特定のポケモンが高確率で出現する「巣」として知られています)。夕方の4時過ぎでしたが、日比谷公園内はサラリーマン、OL、学生、主婦、カップルとありとあらゆる種類の人たちがいて、その85%以上はポケモンgoをしていたと思います。みなさん歩く速度が遅く、同じところをウロウロしたり、おもむろに立ち止まったり。

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有給を取ると、いまだに次の日に仕事に行けなくなるのではないかと心配になったりするのですが、平日に休んで自分の好きな場所に出掛けるのは愉しいし、何より少し得した気分になるものです。

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