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WHITE MORIOKA 2010: Mr. Miyazawa

IMGP2810
K-7 + FA77mmF1.8Ltd


岩手のひとつの青い照明

そこでは、あらゆる事が可能である。
人は一瞬にして氷雲の上に飛躍し大循環の風を従へて北に旅する事もあれば、赤い花杯の下を行く蟻と語ることもできる。
罪や、かなしみでさへそこでは聖くきれいにかゞやいてゐる。
深い掬(ママ)の森や、風や影、肉之(ママ)草や、不思議な都会、ベーリング市迄続々(ママ)電柱の列、
それはまことにあやしくも楽しい国土である。

「『注文の多い料理店』 広告文」(引用:青空文庫、改行筆者)


IMGP2796
K-7 + FA77mmF1.8Ltd


パツセン大街道のひのきから
しづくは燃えていちめんに降り
はねあがる青い枝や
紅玉やトパースまたいろいろのスペクトルや
もうまるで市場のやうな盛んな取引です

「冬と銀河ステーシヨン」(『春と修羅』収録、引用:青空文庫

1010954
GF-1 + LUMIX G 20mm F1.7(妻撮影)


「どうもをかしいぜ。」
「ぼくもをかしいとおもふ。」
「沢山の注文といふのは、向ふがこつちへ注文してるんだよ。」
「だからさ、西洋料理店といふのは、ぼくの考へるところでは、西洋料理を、来た人にたべさせるのではなくて、来た人を西洋料理にして、食べてやる家(うち)とかういふことなんだ。これは、その、つ、つ、つ、つまり、ぼ、ぼ、ぼくらが……。」がたがたがたがた、ふるへだしてもうものが言へませんでした。

『注文の多い料理店』(引用:青空文庫

 * * * *

宮沢賢治と云えば、『注文の多い料理店』、『銀河鉄道の夜』、『春と修羅』ぐらいしか著作が思い浮かばず、なおかつ代表作といわれるその3作もまともに読んだことがありませんでした。今回、引用にあたって青空文庫で少し読みましたが、何ともuniqueな(彼にしか出来ない)文章に瞠目させられました。ネットもなく、情報の入手も難しい時代に、雪深い岩手に居て、宮沢賢治は高い理想と知識、豊かなイマジネーション、そしてそれらを表現する術を身につけていたのだと。『注文の多い料理店』の序文における冒頭の一文がとても素晴らしかったので、最後に引用しておきます。

IMGP2990
K-7 + FA31mm F1.8Ltd


わたしたちは、氷砂糖をほしいくらゐもたないでも、きれいにすきとほつた風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。

「『注文の多い料理店』序文」(引用:青空文庫) つづく

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